日記#337　石狩新港☆4.6 天気が良い　2021/06/08

心が疲れたら海を見るといい。

これはワクチンを打てば5Gに接続されると信じてる人が読む会報誌とかにも書かれている、由緒正しい対策だ。

今日は1日休みなので海へ行く。朝の7時30分に家を出た。

海ならどこでもよかったんだけど、せっかくならちょっとしたアクテベテー（札幌訛り）ができた方がいいんじゃねーかと思い至り、釣りのできる石狩新港に行くことにした。家族でよく釣りしに来ていた場所だけど、それももう遥か昔の話。正確にどの場所で釣っていたかなんて全くおぼえていない。

でもまあ、行ってみればなんとかなるでしょ、

と言うことで
出発した。

折り畳みのイスと飲み物と本は持った。基本的にはピクニックなのでね。

釣りの道具はない。私の記憶では海釣りから川釣りまで一式あったはずだったが、家族が引っ越す時にキラめかなかったから全部捨てたらしい。思い切りのいいこと。

途中で釣具屋があればよろう。

石狩への道は長い一本道。石狩の人間は朝から50km規制を+40kmくらいでかっ飛ばしている。気持ちがいいな。

途中、石狩新港のすぐ手前に釣具屋があったので寄った。すぐ目の前には駐車場のでっかいコストコができていた。資本主義め、こんなところまで....

店員に港のどこで釣るのがいいですか、と一応聞いておく。「う〜ん石狩ですか〜。結構どこも立ち入り禁止なんで〜、まあこの埠頭の先っちょか、こっちの湾だけですかね〜。うん〜。」と歯切れの悪い返事。全く釣果は期待できそうにない。

買ったのはこちら。

店に入ったら2歩で見つかる「釣りスターターキット」1600円。もうね、これでいいんですよ、魚は竿を選ばないんだから。これで十分。買う時の店員に「あ、こいつ何にも知らね〜トーシロだわw」と思われる痛みに耐えられるのであれば、これを買うといい。廉価品の割にはちゃんと使える。

針とワームも買って全部で2000円。牛丼が5杯分です。どうかな、まあフェアな値段と思う。

埠頭に着いたらすでに爺さん連中が堤防を占領している。当たり前だ。釣りってのは基本早朝にやるもので午前9時にノソノソやってくるような人間に人権はない。爺さん2ー3人とちょっと話したが、みんな投げ釣りでカレイを狙ってるらしい。ふーん。

しょうがないので少し移動。テトラが階段上になってる場所が空いていたのでここに座ることにした。

人がいないのには理由がある。そう、ここには魚がいない。

ヒトがいないとこには魚がいない。これは海鳥なんかも使ってるテクニックで、魚の群れを見つけたい時はまずヒトを探すらしいです。

風が強いけど天気はいいので、ピクニック日和ではある。

というか天気が良すぎる。

カンカンに晴れていて全く釣り日和ではない。魚ってちょっと曇ってる時ぐらいが一番活動的で、こんな暑い日中にぷかぷか岸の方まで泳いでくるアホは魚といえど多くない。

ということで釣竿の方は適当に投げて放置。投げ釣り用の仕掛けじゃないので大して距離も出ない。もういいや、なんでも。釣りに来たんじゃないし。

釣りの方はそれぐらいのテンションで、前に買って放置してた村上春樹の東京奇譚集をパラパラっと読んでみる。一本目は村上自身の実際にあった不思議な体験を話すエッセイ。村上春樹のエッセイって初めて読んだかもしれないが、村上小説って基本的に私小説なので、別に新しい感じはない。主人公が私であろうと多崎であろうと青豆であろうと、我々はそこに村上春樹を見ている。日本人はここ何十年かに渡って村上の自語りを延々聞かされ続けていることになる。それが気持ちいいんだけど。

そんなことをしていたら根がかりした。