日記#276 人道的殺人兵器 2021/04/08
『環境考古学のすすめ(著 安田喜憲)』 を読んでいる。まだ読み終わってないけど書き口が好戦的でかなり好きだ。戦後の階級闘争史観的歴史学を”ゴミの山”と一蹴し、俺のやってる環境考古学こそがとるに”たる”課題だと強い語調で述べている。いいよね〜、威勢の良い文章はそれだけで読む価値がある。
論文じゃなくて新書を読む理由はこれなんだよな。新書を書いてる時が間違いなく学者が一番輝く瞬間だから。論文で1行分の主張しようとすれば1000行の注釈と引用が必要になるし、そもそも査読などというシステムのよくわからない検問所をパスしなければ誰にも読んでもらえない。学会へ持っていけば「素人質問で恐縮ですが....」と他の研究者からチャチャが入り、そもそもの前提をひっくり返されたりする。その点、本であれば論文では言えないようなことをさらっと断言したり自分が用意した土俵で誰にも邪魔されずに好きなことを主張できる。(もちろんその主張に責任はあるけど。)
全世界の全学者は新書執筆を唯一の楽しみとして、日々苦しい研究に明け暮れている。そう予想します。学者のみなさん、どうですか?
論文を読まないその他の理由
・高い
・難しい
・わからない
バーチャル空間に観光客を呼ぼうというJTB新プロジェクト告知動画。最初の30秒だけ見て欲しい。
令和の時代にこんなポリゴンでいいのか?よっぽど金と時間がなかったんだろうな。2Dの牛がスライドしてくるところとか、(デモ映像なのに)ショッピング画面が全部モザイクかけられてるところとか本当に余裕がなかったんだろうと見ていて苦しくなる。途中から出てくる社長さんもきっと出来上がった映像は見てないんだろう。見てたら「象徴的なシーンです。」なんて口が裂けても言えない。
ただまあ、グラフィックだけで判断するのは尚早すぎる気もする。もしかしたら壮大なシナリオを用意してるかもしれないし、革新的なゲーム性が売りだっりするのかもしれない。多数のバーチャル観光客が同時に入れるらしいので、中でPvPの相撲バトルができたら割と楽しいんじゃないかと思う。
スーパーで見かけたストロングゼロに【プリン体!糖質ゼロ!】の表示があって不思議な気分になった。45mlという命を落としかねない量のアルコールを提供しておいて「プリン体ゼロだから健康に良いよ」とは何事か?そんな次元の話ではないだろう。
同じ死ぬなら健康に死んだ方がいいよねってことか?
なんか”人道的な兵器”という言葉を思い出す。
つまり、そんなものは存在しないということなんだけど。
2021年4月8日