日記#317 アカシア、ルロ、初夏。 2021/05/18
アカシアが咲いている。札幌の初夏だ。
北原白秋の有名な童謡『この道』にも
この道はいつか来た道
ああ そうだよ
あかしやの花が咲いてる
とある、あのアカシアだ。
NHKの合唱団に所属していた小学3年生の私は、そんな名前の花があるとは知らず、「あかしや」という古風な形容詞だと思っていた。あの花は大変にあかしいね、みたいな。
かわいいね、小学三年生の私。
他の地域にどのくらいアカシアが植わっているか知らないけど、札幌では街路樹と言えばアカシア、というくらいそこら中にある。
今日久しぶりに外へ出たら満開だった。すぐにそれとわかる強烈な、独特の香りある。匂いは何よりも記憶を呼び起こす。あの初夏も、あの初夏も。
そんなことを思ってたら雨が降ってきた。埃っぽい地面に落ちる水滴とアカシアの匂いが混ざって、それはもう札幌の初夏としか言いようがない特別な空間になる。
札幌の初夏にはルロジュースと相場がきまっている。
『コロンビアで大人気のフレーバー』。ふーん。興味深いぢゃん。
『!?』の意味するところはわからないけど。
ルロだろ絶対。自信持ってくれよ。
滞在中、ほとんど毎日ルロジュースを飲んでいたこの私が評価して差し上げよう。
タブを手前に引くと反対側が蓋の切れ込みを押して穴が開くようになっている。なるほど、これは素晴らしい技術だ。+2点
飲んでみる。
....
なるほどね。
うん、なるほどね。
ルロと思って飲むからルロだとわかるけど、ブラインドで飲んだら多分わからなかったと思う。ファンタのファンタ性がかなり強くて、確かに何かの香りはするんだけど『甘酸っぱいフルーツ』の概念みたいな味がするだけで、ルロかと言われると、どうかな。
いやルロなんだけどさ。ルロジュースなんだから。
美味しいけど少し期待外れだったかも知れない。というのも私が(無意識に)期待していてのはコロンビアで飲んでいたような果汁100%の搾りたてルロジュースで、喉ごし重視の炭酸飲料ではなかったらしい。
完全に私が悪い。
そういえば果汁を一滴も使ってないのに、あの独特の飲後感(強力なミント味マウスウォッシュでうがいしたくなる、ちょっとイガイガしたアクの強さ)は完全再現しててすごいと思った。
コカ・コーラさんの技術力に脱帽。
フォルダを漁ったらルロの写真あった。懐かしい。
2021年5月18日