臍(ほぞ)を狙え

Dame ramen y dime tonto.

日記#269 どんどん襲来 2021/04/01

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まだ熱を帯びる38口径のハンドガンを風で冷ましながらアルベルト=ホセ=フェルナンデスは右足で死体を小突く。痩せた体はマネキンのように呆気なくひっくり返った。偉そうな髭こそ蓄えているものの目元は幼い。20代も前半ってとこか。俺がお前くらいの年の頃はなあ.....そこまで呟いてアルベルトは口を噤む。20代か.....ふふっ.....思い出したくもねえや。いつもの癖で右の顔をしかめてからハンドガンをホルダーに戻し、代わりに前ポケットから小振りのナイフを取り出す。膝をついて男の服を脱がし死体を丁寧にしかし素早く調べていく。いくら人気のないテリンガ荒野のど真ん中であれ、万が一というものがある。アルベルトはその偶然とやらに殺された仲間を何人も知っていた。とにかく早く終わらせて目撃される確率を下げること。何年やってもこの緊張感には慣れることはなかった。......あった!アルベルトは静かにそう呟いてナイフでそれを切り落とし巾着にぽいっと投げ入れる。すでに上空ではコンドルが旋回していた。明日の朝までには骨までしゃぶり尽くされているだろう。湿っぽい棺桶に閉じ込められて辛気臭い墓地に埋められるくらいなら、乾いた大地で跡形もなく蒸発する方がいいだろう。アルベルトはそう思うことで、人を殺めてひとまわり小さく縮んだ心を癒すことに努めた。別に好きで人を殺してるわけじゃないし、殺さなくてよいなら殺さない。ただし、これを生業に選んだ以上アルベルトに残された選択肢はあまり多くなかった。立ち上がって遠く丘の向こう側で待機させていた愛馬を口笛で呼び戻す。ここからメキシコシティまでは600km。馬で急いでも丸4日はかかる。アルベルトは馬に塩を舐めさせながら、シティはやめて隣町のトルーカにしようと一瞬考えを巡らせたがすぐにやめた。シティまで行けば東洋人の商人がいる。そいつのところへ持って行けば相場の3倍以上の値段で売れることは間違いなかった。Toshiというカワナマズのような顔をした男で法外な値段を出すことでハンターの間で有名だった。友人に紹介してもらって以来、アルベルトもものが入れば決まってこのToshiのところへ売りに行っていた。しかし長い付き合いになっても、アルベルトにはToshiが何者なのか、そしてToshiがなぜそれを買うのか全く見当がつかなかった。一度、アルベルトはToshiが渡した銀貨を数えながら尋ねたことがあった。Toshiは表情を変えずにアルベルトをジッと見て一言、魔術、と言った。
(つづく)

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天気がいいな〜。

「エヴァンゲリオン・破」を見たけど、もう3時間も前のことなので記憶が曖昧。何が起ったんだっけ?

エヴァは人類滅亡レベルの危機が10分おきくらいに起こるのが面白い。嘘みたいなペースでどんどん使徒が襲来するから準備期間がないんだよな。次に向けて練習しよう!とか、成長しよう!とかがない。ずっと「あと1秒で死にます。」みたいな終わった状況で戦ってる。これ結構ストレスが溜まる。最初の15分で挫折、40分で立ち直り成長、最後の30分で勝負→勝利。我々の脳みそはこういう映画に慣れてるから、エヴァみたいなストーリーがとっ散らかった(少なくとも私にはそう思える)お話を見ると脳が扉を閉めちゃう。あとこれはたくさんの人が思ってるだろうけど、シンジの心理描写がかなりストレスフル。(それがエヴァンゲリオンの本質部分のような気もするが。)庵野監督が本当にシンジが感じてるように世界を思っているのだとしたら、それは全然共感できない気がする。

え?

何?

もう4月?

嘘だろ?

なあ

おい!

嘘って言え!

「嘘です。」

 

嘘か〜〜。

良かった〜〜。

2021年4月1日