臍(ほぞ)を狙え

Dame ramen y dime tonto.

日記#310 タバコは吸いません。 2021/05/12

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工事現場。

工事現場をみるとうわーいいなーと思う。多分ちょっと目が潤んでキラキラしてると思う。自分の力だけでこんなに深く穴掘れることってないから。

 

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香るアーリーグレイ、というお菓子。

今までアーリーグレイと名づけられた紅茶はたくさん飲んできたが、紅茶経験が乏しいせいで舌に感じている味が紅茶特有のものなのか、それともアーリーグレイのアーリーグレイ性なのか判断がつかなかった。それが今日、アーリーグレイの菓子を食べたことで二つの味覚経験に共通項が見つかり ついに"アーリーグレイ"の輪郭を認識した。これが、アーリーグレイだ。

こういったことはよくある。ジントニックを初めて飲んだ時も、あの独特の香りがジンによるものか、それともトニックによるものか、はたまたジンとトニックが掛け合わされることだけによって生まれるものか分からなかったが、これはスプモーニという(トニックウォーターを使う)カクテルを飲んだ時に判明した。

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一応食レポをすると、下のスポンジ以外は全部クリームなので口に入れた瞬間に全てが溶けてなくなる。実質的になにも食べていないのと一緒。

 

 

カフェに入ると、禁煙席ですか?喫煙席ですか?と聞かれた。私はいつもこの二つがごっちゃになってどっちがどっちか分からなくなる。毎回頭の中で(禁煙......禁......禁止......禁止の煙......煙が禁止の席......私はタバコを吸わないからこっちだ...)と考えるので『禁煙席でお願いします。』と答えるのに2秒くらいかかる。今日はいつもより脳が働いてなかったので体感で5秒くらいかかり店員とちょっと変な感じになった。恥ずかしさを紛らわすために席につきながらコートの内ポケットを確認し(今日は手持ちがないんだった..)みたいな顔をして5秒間の沈黙に合理性を持たせる努力をした。

普通に「吸いません」と答えりゃいいじゃないかと思うかも知れないが、それはなんか医者に答えてるみたいで違和感がある。

店員が聞きたいのは私がタバコを吸うか吸わないかではなく、タバコが吸える席がいいか吸えない席がいいか、ということなので常に真摯で正確な答弁を目指している私は店員に「吸いません。」とは口が裂けても言えない。

 

 

 

マヌエル・プイグ『このページを読む者に永遠の呪いあれ』を読み終わった。そもそも長いし、途中迷子になったりしたので苦しんだけど読破できて良かった。最近スランプ気味で長編小説を最後まで読みきれないことが続いてたから、なんか本を閉じて感動してしまった。読んだなー。ホントに良かった。

最初からハッピーエンドは期待できないなと思ってたけど、やっぱり悲しい話だった。人の悲しさてんこ盛りだ。全編にわたってダイアログで話が進む独特の(少なくとも私のとっては)形式で、しかしこれはこの形式以外に示す方法はないなと思った。プイグの映画志望というバックグラウンドを強く感じる。夢のような話をしていながらどこまでもリアルな人間を描いていて、だいぶ私の好み。他の作品も読んでみようと思った。

2021年5月12日