臍(ほぞ)を狙え

Dame ramen y dime tonto.

コロンビア到着、そして祭り。

ヒューストンは税関通るのに1時間半くらいかかってさすがアメリカ!嫌い!という感じ。そして再びセキュリティーチェック。係のおっさんがメープルシロップを見て、「これなんだ?開けるぞ。」と聞くので「メープルシロップですよ。カナダ名物の。」と若干不安になりながら言ったら、「開けねーよ!本当に開けると思ったか?笑。知ってるわ!メープルシロップぐらい!爆笑」という謎テキサスジョークをかまされた。マジで謎。その後、15米ドルもする高級ブレクファスト( )で優雅な朝を過ごしパナマシティ行きのユナイテッドにぶん殴られて引きずり出されない様、なるべく存在を消しつつ乗り込む。

 

パナマでは結局乗り継ぎが15分くらいしかなくて鼻の頭に汗かくくらいには激走した。さすがアメリカ資本の入っている国らしく、空港もアメリカの金の匂いがする。

コロンビアのパルミラ空港に着いたのは次の日の夜。空港はつい最近改修工事が終わったらしくモダンでなかなかいい感じ。スタッフも親切で10点満点で8点ぐらいは上げたいところだ。(ちなみに、5年連続年間空港使用数3.5個以下の僕の意見では、バンクーバーはかなりいい空港。最下位は問答無用でもちろん案の定圧倒的トロント国際空港(異議なし)

税関の申請書類が全部スペイン語だったのと、税関のおっさんが英語しゃべれなかったので、正直何を聞かれているか半分もわからなかったが、山勘でSí, Síと連発してたら、やばいやつだと思われ荷物全部開けられた。メープルシロップをおっさん3人で面白そうにじっくり眺めたあとあっさり解放。迎えに来てくれていたニコラス一族の盛大な歓迎を受けた。

 

そしてまずはニコラス宅へ向かい長旅の疲れを癒す、と思いきや、その足でペトロニオという夏フェスみたいな(行ったことないけど)クレイジーイベントに参戦。音楽とダンスのステージが3箇所、顔にペインティングしてくれたりする文化ブース、飲食のスタンド、プラス企業ブースが広い敷地に所狭しと並んでいる。(夏フェスってそんな感じやろ?知らんけど。)

メインはもちろん音楽とダンスだが、コロンビアと聞いてイメージするサルサやバチャータとはかなり趣が違う。言葉で説明するのは難しいが、日本人には1000年経っても理解できない独特なリズムとマリンバなどのアフリカに由来する楽器が特徴だ。コロンビアの西部、特に太平洋沿いのアフリカ色の濃い文化が主役のお祭りで、参加者もコロンビアの人口比から比べると圧倒的にアフリカ系が多い様に見える。観光客(態度がでかいのでおそらくアメリカ人)もちらほら見かけるがアジア人は僕以外に誰一人といなかった。

絶対に盗られる自信があったので携帯を持って行かなかったので写真はないが、東京のサラリーマンもびっくりの人混み。多分10人/㎡くらいはあった。日本では、人混みに身を任せていけば少しずつ進んでいけるが、コロンビアではそうは行かない。コロンビア人の強靭なフィジカルにはじかれてしまい、そもそも人混みに入っていけないのだ。しかも”譲る”とかいう哲学は存在していない様で、とにかく体を当てて人混みにねじ込み、後ろから抜かされない様にハグするくらいの勢いで前の人の肩をしっかりホールドする必要がある。入場門まで到達するまでにはコツを掴んだ。会場に入るまでにセキュリティーチェックが二回あり、ポケットのポップコーン、缶ビール、アサルトライフル等は全て没収される。(が、入場門すぐ横の柵は高さ1メートル警備員0人というザルディフェンスなのでやろうと思えばいくらでも持込できる。)

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ペトロニオ公式FACEBOOKより (https://www.facebook.com/pg/PetronioAlvarezOficial/photos/?tab=album&album_id=1685247615031899&ref=page_internal

会場内では白や茶色のドロドロした(粘度で言えば150ミリパスカル秒くらい)明らかに日本人の軟弱な胃腸向きではない酒が瓶に詰めて売られている。(アレチョンArrechonという)。これだけは絶対に飲まないでおこう!と一人誓ったその5秒後に友達マーク登場。もちろん両手にアレチョン。ということで、あっさり誓いを投げ捨て飲んだ。想像通りアルコール度数は高い(体感40パーセント)。そしてサトウキビが主原料なので甘い。パッケージにはこれを飲んで躍り狂えと書いてあるが、初日から狂うのはさすがにまずいので残りは他の人にあげた。

会場にはおそらく4時間くらいしかいなかったがその間に数え切れないほどHey Chinoo(中国人)!! と呼ばれた。アジア人というだけですれ違う人全員に二度見され、ある人は目を細めるジェスチャーで、ある人は手を合わせてお辞儀をしたりと会場の注目を集めまくった。生まれて初めてアジア人を見たかの様なリアクションでめちゃくちゃ面白がってくれるので、まさに異国体験。最高。

さすがに疲れたのと、やばいアルコールが脳に回り始めたので夜も半ばに帰ることにしたが、その途中でも突然十人くらいの女の子(泥酔)のグループに「チノーーー(大興奮)!!チノーー!」「チノ!踊れ!!ほら踊れ!!!」と恐怖を覚えるレベルで囲まれた。僕がそのまま人の波に呑まれていくので、ニコラスが手を引いて助けてくれようとしてが、「邪魔すんな!チノに踊らせろよ!」と女の子がその手をぶっ叩いたのがハイライト。なんとか会場を抜け出し、帰途についた。

いや人気者になるのも大変だね。

 

 

今年ではないが祭りはこんな感じ↓


Festival Petronio Álvarez, la fiesta de gala de la música del Pacífico | Shock